ポン酒倶楽部

日本全国にある地元の人が愛する日本酒やワイン・ビールをご紹介します。有名無名を問わず美味しいお酒をぜひ、飲んでください。

日本酒といえば辛口!それほんと!?

「日本酒といえば辛口!」


居酒屋に行けば飲兵衛さんは「日本酒は辛口が一番うまい」って言ってるし、先入観で辛口が旨いのかなーって。
みなさんは日本酒にそんなイメージを持ってませんか?

 

あれっ?でも日本酒にスパイシーな辛さは感じないけど?
そもそも日本酒の辛口ってなんなんだろう?

 

日本酒と言えば何となく辛口って思い込んでますよね?何を隠そう、この仕事をするまでは僕も日本酒は辛口だけだと思ってたんです。 

 

じゃあ、辛口って一体、何なのでしょう!?

 

そんなことで、早速、日本酒の辛口の正体を見ていきましょう!
簡単にまとめてありますので、5分もあれば読めますので、お時間がありましたらお付き合いください。

 

「記事の全体像・もくじ」

 

日本酒の辛口と甘口の違いはなんだろう?


日本酒を飲むとThe日本酒だなっと感じるものもあれば、フルーティーで甘みがあって飲みやすいものありますよね。
その違いは何なのでしょう?

 

辛口甘口を表す日本酒度とは?


日本酒の辛口甘口を表す表記に日本酒度があります。この日本酒度こそが第一のポイントとなります。


ではこの日本酒度ってなんなのでしょう?


さっそく見ていきましょう。

 

日本酒度とは日本酒の甘さや辛さを表す指標の一つです。


一般的には数字がマイナスになれば甘口、プラスになれば辛口となります。

このプラスやマイナスになるのは日本酒のなかにどれだけ糖分が残っているかで変化します。

ただ、この表記はあくまで水との比重によって表現されており、日本酒度を測るための日本酒度計の浮秤(ふひょう)の基準点が推移することで表現されます。


糖は水よりも重いので、糖分が多ければ、糖度計の基準点が下(マイナス)に推移することで甘口となり、糖分が少なければ、基準点が上(プラス)に推移するので辛口となります。

 

糖分の多い少ないで口が感じるのは「甘い辛い」よりも「重い軽い」じゃないかなと個人的に僕は思ってます。

本来、日本酒はお米から出来ているので、日本酒自体には2.5%〜4.5%の糖分が含まれているので、糖分が多く残っていれば、どっぷりとした重さを感じ、逆に糖分が少なければ軽快さがでるので軽く感じる


甘い辛いよりも重い軽いのほうがいいんじゃないかなーっ!


ただ、実際、この日本酒度の数値だけでは全てを区別して測れないのも事実ですので、日本酒を楽しむ一つの目安にはなりそうですね。

 

のど越しに重要な酸度とは

 

のど越しにクゥーッと感じるキレ味!
「辛口を飲んだっ!」って感じる経験ありませんか?

 

辛口を飲んだって感じる正体はじつは日本酒の酸度が大きく影響しているのです!

 

次は日本酒の甘辛を測る2つ目のポイントに入っていきます。

 

日本酒の酸度とは酸味を表すもので、日本酒に含まれるコハク酸や乳酸、リンゴ酸、クエン酸などの有機酸の量を数値化したものです。


そして、日本酒にはこの4種類の有機酸が全体の80%以上を占めています。

 

今、市場に流通している日本酒の平均的酸度は1.0〜1.5前後が多いので、この数値を基準に判断していくと良いでしょう。

 

一般に酸度が1.0以下であれば、柔らかく印象を感じ、1.5以上になるとしっかりとした日本酒らしさを感じます。

 

でも「酸」って表現するとすっぱいイメージになっちゃいますよね。
ただ、日本酒の酸はすっぱいよりキレ味の意味合いが強いです。

 

酸度が高ければ、のど越しのキレ味が鋭いので日本酒が辛口に感じ、キレ味が柔らかいと甘口に感じさせるのが日本酒の酸です。

 

日本酒の甘辛には酸度が大きく関わっていますので、日本酒を選ぶときには日本酒度だけじゃなく、酸度もポイントにすると幅広い日本酒の良さに気づけるはずです。

 

日本酒度と酸度が分かれば日本酒の甘辛は理解できました。

ちょっと待ってね!まだもう一つ重要なポイントがあるんです!

 

アミノ酸がもたらす旨みパワー

 

日本酒度や酸度だけじゃなく日本酒にはアミノ酸度という旨みを表す数値があるんです。

 

このアミノ酸度が最後の甘辛を測るポイントです。


ではアミノ酸度は一体何なのか?


アミノ酸度とは文字通り「アミノ酸」の含有量を示す指標です。

 

アミノ酸の重要な役割は日本酒の旨味を出すことです。ただ、実際には旨味だけでなく、甘味や酸味、苦味を感じさせる成分です。

 

アミノ酸度が高いと濃厚かつ芳醇な酒となり、深く奥行きのある味わいとなります。
逆に、アミノ酸度が低いと淡麗で軽快な酒となり、スッキリとした味わいの日本酒になります。

 

アミノ酸度は吟醸酒で1.0〜1.3、純米酒では1.5前後が多いです。さらに日本酒を長期熟成した熟成古酒では2.0を超える日本酒もあります。


アミノ酸は旨味を出すうえで重要な役割がありますが、アミノ酸が多く出過ぎると雑味を強く感じるようになるので、注意が必要です。

 

日本酒には 日本酒度、酸度、アミノ酸度があって、この3つの指標で甘辛が判断できるんです。

 

まとめ

 

以上のように日本酒には日本酒度、酸度、アミノ酸の3つに重要な指標によって甘い辛いを判断できるので、実は辛口と言っても日本酒度だけでなく、他の指標が混ざり合い表現されることを知ってもらえると嬉しいです。

 

日本酒選びの基準にしていただき、ぜひ、楽しい日本酒ライフを!